福岡県飯塚市の小児科 こどもクリニックもりた こどもの事なら何でもご相談下さい。

やっぱり受けよう予防接種

現在は、子どもの病気を目の当たりにすることが少なくなり、感染症の恐ろしさを忘れるようになりました。ご存じでしょうか、今でも麻疹(はしか)で毎年約50人の子どもが亡くなっていることを。その半数は1歳前後の乳児です。ワクチンをうつ前に、兄弟からや保育所で罹ってしまうのです。三種混合のワクチンが一時中止された後に、年10人以下だった百日咳の死亡者がおよそ100人になったこともありました。ワクチンは、多くの命を救った救世主です。個人1人1人が責任をもって予防接種を受けることで、再び日本が感染症大国に後戻りすることのないようにしましょう。




一歳のバースデイプレゼントに麻疹のワクチンを

昔、麻疹(はしか)は「命定め」と呼ばれるくらい恐れられた子どもの病気でした。現在でも、世界の開発途上国を中心に1年間に約80万人,日本では約50人が死亡しています。「だれでも一度はかかる」とか「自然にかかった方が良い免疫ができる」といった誤解があるためか予防接種率が上がりません。
日本は他国からの輸入感染症を食い止めようと必死になっていますが、麻疹に関しては日本が「麻疹輸出国」として、世界から゛ひんしゅく゛を買っていることを皆さんはご存じでしょうか。アラスカでは一人の日本人幼児から33人への集団感染を引き起こしたとして問題になりました。アメリカでは就学時に未接種児童は入学できないシステムを取っており、麻疹発生が激減しました。これは、重症化する1歳未満の乳児を守るための仕組みでもあるのです。日本でも予防効果の高い麻疹の予防接種を効果的な年齢で接種しておけば、麻疹撲滅は可能なのです。


はしかは大変!

はしかは、ウイルスを含んだ唾液による空気感染(飛沫感染)でうつり、感染力が非常に強い病気です。咳きこみや嘔吐で何日も何もたべられなくなったり、ひどい下痢になったりして、入院する率も高いものです。日本では、ワクチン接種が行われるようになってから以前ほどの大流行はなくなりましたが、それでも年間数万から数十万人がかかっているとみられ、毎年50人くらいの子どもが死亡しています。

でもワクチンで予防できます!

予防接種を受けずにはしかにかかって、重い症状になって受診する子が何人もいます。はしかの患者の9割以上は予防接種をうけていませんでした。
はしかはワクチン接種で予防ができます。1回の接種で95%以上に免疫ができます。また、地域で予防接種を受けている人の割合が大きいと、流行は防げます。


付録・はしかについて

・症状:10~12日の潜伏期間の後に39~40度の高熱、鼻水、強い咳、目やにが出始め、症状出現後3~4日頃からばら色の発疹が出てきて全身に広がります。発疹が出る前のかぜ症状の時期が一番感染力が強いのです。発疹は4~5日で茶褐色の色素沈着を残して消えます。発熱後およそ7~10日で治ります。

・治療:特効薬はありません。熱さまし、咳止めなどを使います。家庭では安静にして、熱が高くてつらいときは冷やしたり、子どもが好きなものを食べさせたりしてあげましょう。

・合併症:ときどき中耳炎、気管支炎、肺炎、まれに脳炎のような重篤な合併症をおこすこともあります。

・大人もかかることがあります:はしかというと子どもの病気と思われがちですが、子どものうちにかかったり予防接種を受けたりして免疫をつけることのないまま、大人になってからかかって大変な思いをする人もいます。無料で受けられるのは幼児期のみですが、それを過ぎても受け忘れに気づいたら、医師に相談して早めに受けることをおすすめします。